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骨代謝グループ

現鹿児島大学整形外科学教室骨代謝グループのルーツは、後縦靭帯骨化症(OPLL)の基礎研究グループであったと考えられます。この難病は本来骨の無い所に骨が出来る現象が本態ですから、そのメカニズム解明は究極の骨代謝研究と言えます。当教室は遺伝学的、分子生物学的、病理組織学的アプローチを駆使してOPLLの病因解明に挑んできました。遺伝学的にはXI型コラーゲンα2鎖遺伝子(COL11A2)とOPLLとの連鎖と関連を世界に先駆けて解明し、このCOL11A2変異が骨を造る骨芽細胞内でmRNA発現パターン変化を起こす事を突き止めました。また、OPLL病巣における骨形成蛋白(BMP)とその受容体の関わりを免疫組織化学的手法により詳細に明らかにして来ました。近年は癌研究会癌研究所と共同研究で、正常骨芽細胞分化制御メカニズム解明をテーマとし、TGF-bシグナルや、C/EBPファミリー転写因子の骨芽細胞分化成熟への関わりを明らかにして来ました。現在は、正常骨芽細胞だけを扱っていては見落としているかもしれない分子機構を、骨芽細胞、骨芽細胞前駆細胞の癌である骨肉腫細胞と比較して差を観る事で掘り出せないか、という視点で新しく研究を始めております。

骨の”量”は骨を造る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞のバランスで決まります。また、最近注目されている骨の”質”は骨芽細胞に大きな責任があります。いずれの異常も骨の強度に深く関わります。ビスフォスフォネートを代表とする破骨細胞機能調節薬剤は広く臨床で”骨破壊(骨量減少)を防ぐ”治療法として確立されています。しかし一定の限界もあり、積極的に”骨を増やす”あるいは”質の良い骨にする”医療も必要と考えられます。現在骨芽細胞機能を有効に促進する薬剤は、適応が極限られたBMPのみで普及に至っていません。当グループの最終目標は、骨芽細胞機能促進薬剤の開発につながる発見をする事です。骨折が局所注射で1週間で治ったり、骨強度が数ヶ月で増えたり、そういう未来を夢見て活動しております。