股関節グループ

股関節診療は主に瀬戸口特任准教授、藤元、その他医師で行っています。新患日は月曜、水曜の午前、再診日は水曜、金曜の午後に主に行っています。変形性股関節症(寛骨臼形成不全)、特発性大腿骨頭壊死症、関節リウマチ、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折、大腿骨近位部骨折など、股関節に関するあらゆる疾患を扱っています。

 

変形性股関節症

股関節の形に異常が起こり、徐々に変形して関節の痛みが生じる病気です。

原因:日本人の変形性関節症の約8割はもともと股関節の適合性や被覆が悪く、形態異常を示す、発育性股関節形成不全、寛骨臼形成不全が原因です。その他、外傷なども原因になります。

診断:問診や診察、股関節の可動域やレントゲン写真をみて診断します。

必要に応じてCTやMRIなどの検査を行います。

前関節症は寛骨臼形成不全がありますが、関節症変化のない状態です。関節症がすすんでいくと、軟骨がすり減って関節の隙間が狭くなり、骨どうしが当たって痛みが出ます。さらに進行すると異常な骨組織(骨棘)や骨の空洞(骨嚢胞)ができたりします。

前関節症➡進行期関節症➡末期関節症

治療:患者さまの年齢や画像所見、診察結果、関節症の進行度、その他、合併症や社会背景によって治療方針は決まります。

日常生活指導や痛み止めなどの薬物療法、股関節周囲の筋力トレーニングなどのリハビリ療法で経過をみることもあります。

これらの保存療法でも症状が完全しない場合は手術療法を考えます。初期のうちであれば自分の骨を生かす骨切り術、関節の変形が進んでいる場合は人工股関節置換術の適応となります。

 

人工股関節置換術

当院では症例に応じて、脱臼しにくい股関節前方からのアプローチも行っています。

変形性股関節症や関節リウマチ、あるいは大腿骨頭壊死症などで障害のおこった関節を金属やセラミック、ポリエチレンなどでできた人工の関節に入れ替えることで、痛みがなくなり、歩行能力が改善されます。このような手術を人工関節置換術といいます。手術時間は通常1~2時間程度です。手術は感染を予防するため、クリーンルームを使用して行います。

 

骨臼回転骨切り術

寛骨臼を骨切りして、骨頭を覆うように被覆を改善する手術です。手術後の脱臼や感染が起こりにくく、スポーツや重労働への復帰も可能です。関節症変化が少なく、比較的年齢の若い患者様に適応があります。

 

人工股関節の入れ替え(再置換術)

 人工関節置換術を受けて15~20年経過すると人工関節の部品(ポリエチレン)の磨耗(まもう)などが起こり、人工関節にゆるみが生じてきます。このような場合は骨破壊が生じる前に、新しい人工関節への入れ替え、すなわち再置換が必要となります。

 

高位脱臼性股関節症に対する大腿骨短縮骨切りを併用した人工股関節

 高位脱臼性股関節症では正常な股関節より高い位置に大腿骨頭があります。坐骨神経への影響を考えて、大腿骨を数cm切り取り人工股関節を設置します。

 

特発性大腿骨頭壊死症 

原因:大腿骨頭は血流障害を起こしやすい部位の一つです。血流障害を起すと骨の壊死が引き起こされます。この壊死した骨の部分が大きいと潰れて(陥没変形)しまい痛みが出てきます。原因がはっきりしていない場合を“特発性”大腿骨頭壊死症と呼んでいます。何らかの病気に対するステロイド(副腎皮質ホルモン)剤の服用、アルコール多飲に関連して生じることが多いことが分かっています。厚生労働省の難病指定疾患となっています。

診断:単純X線(レントゲン)で変化がわかりにくければMRIを撮ります。MRIで帯状低信号域などの特徴的な所見があれば確定します。骨シンチグラフィーといって放射性同位元素を注射して全身骨格を撮影することもあります。

治療:骨は壊死していても潰れなければあまり症状を出さないと考えられます。注意深く経過をみることもあります。

骨壊死の範囲が広い場合は陥没変形に歯止めがかからない場合が多いです。

変形が進行する可能性が高い場合には、手術が必要です。

自分の骨を使う手術として大腿骨頭回転骨切り術という手術を行うことがあります。大腿骨の形状を変化させることにより荷重面(体重のかかる部位)に健常な関節面をもってくることにより陥没変形の進行を抑えることにあります。

壊死範囲が広く、既に変形が進行してしまい自分の骨を温存する手術をすることが困難と思われる場合は人工股関節手術の適応となります。

 

大腿骨回転骨切り術

壊死範囲や手術のタイミングにもよります。

 

関節リウマチ

大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折

大腿骨近位部骨折

 など上記疾患以外にも股関節に関して幅広く、多くの疾患を扱っております。また大学病院ですので、合併症の多いかた、難治症例に対しても治療しています。安心して受診されてください。