ここが特徴

骨軟部腫瘍とは
骨・軟部から発生する“できもの”のことで、良性から悪性まで様々な種類があります。骨軟部腫瘍は骨・筋肉・神経・血管・脂肪など様々な組織から発生するので種類が多く、稀であるためその診断・治療には専門的な知識や経験が必要です。鹿児島大学整形外科教室では、小宮節郎教授を中心とし、骨軟部腫瘍を専門とするスタッフを中心に骨軟部腫瘍の診断・治療を行っています。治療は手術療法・化学療法・放射線治療がありますが、個々の患者さんに応じて適切な治療を選択しています。

 

【種々の画像検査を駆使した術前診断】
当院ではMRI、CT、シンチグラフィ、FDG-PETなど必要に応じて多種の画像検査を組み合わせて施行し、放射線科医とも相談しながら術前診断の精度を上げています。また外来にて簡便に行える超音波検査の骨軟部腫瘍における有用性も研究発表しており(Nagano et al, Radiol Oncol, 2015)、診断や細胞診、針生検に生かしております。

良性骨軟部腫瘍に対しては、積極的に低侵襲手術を取り入れています。
 
【良性骨腫瘍に対する低侵襲手術】
良性骨腫瘍の掻爬の際に、内視鏡を併用することで皮膚切開を小さくしたり、不十分な掻爬を避けることができるようにしています。


 
悪性骨軟部腫瘍に対しては、以前は命を救うため四肢の切断術も行われていましたが、近年では画像診断や化学療法の進歩とともに腫瘍を確実に切除し、四肢を残す患肢温存術が可能となっています。当科でも、以前は切断術の適応と思われていたような症例でも積極的に化学療法等を行い、ほとんどの症例で患肢温存術が可能となっています。患肢温存術では、腫瘍切除後の再建が必要となります。悪性骨腫瘍の場合、切除した骨を再建するために人工関節を使う方法や、自分の骨を使って再建する自家処理骨再建術があります。

【悪性骨腫瘍に対する自家処理骨再建術】
切除した腫瘍に侵された骨を加熱処理や低温処理で腫瘍細胞を死滅させた後、切除部分に戻して再建する方法です。腫瘍による骨破壊がない場合が対象になります。

悪性軟部腫瘍の場合、悪性腫瘍を確実に切除するために腫瘍とともに周囲の筋肉や皮膚を切除しなければならないことがあります。その場合、切除後の欠損を再建する手法が必要となります。


 
【悪性骨軟部腫瘍切除後の組織欠損に対する再建術】
われわれは他大学の形成外科教室に国内留学を行い、筋皮弁や植皮術、マイクロサージェリーなどを研修しております。これらの技術を用いて、様々な再建術を行っています。

 
【骨軟部腫瘍に対するウイルス治療】
当科では以前より遺伝子治療再生医学講座の小財教授と共同研究を行ってまいりました、癌特異的増殖制御型アデノウイルスの治験を進めております。Surv.m-CRA-1はサバイビンという癌、腫瘍に強く発現する分子に反応してウイルスが増殖し、癌細胞を治療していくウイルスです。特徴は、骨軟部腫瘍だけでなくいろいろな癌に有効性が期待できることです。詳細は近く発表する予定です。

骨軟部腫瘍の診断・治療を的確に行うために様々な研究も行っています。

 

【主なテーマ】
・悪性骨腫瘍におけるHedgehogシグナルの機能解析について
・悪性骨腫瘍におけるCaseinKinase 2(CK2)の機能解析について
・悪性軟部腫瘍におけるエピジェネティックな遺伝子発現制御についての研究

 

骨軟部腫瘍の診断・治療は、まれな疾患であるために難しく適切な施設での診断・治療が望ましいと考えます。からだ、手足にできた“できもの”でお悩みの方は、気軽に鹿児島大学整形外科教室へお問い合わせください。