鹿児島大学整形外科学教室DEPARTMENT OF ORTHOPAEDIC SURGERY
KAGOSHIMA UNIVERSITY

教室紹介

教授あいさつ

教授 谷口 昇

当教室のホームページをご覧いただき有難うございます。
初代・宮崎淳弘教授、第二代・酒匂崇教授、第三代・小宮節郎教授の後継として、平成30年より第四代教授として教室を主宰させていただいております。当教室は、種子島・奄美大島の離島2施設、県外(小林市)の1施設を含む計20の関連病院を擁し、鹿児島県下全域の整形外科医療を統括する中心的な役割を担っています。

整形外科は、骨、軟骨、筋、靱帯、神経などから構成される「運動器」を専門とする診療科です。運動器は、「生物」を「動物」たらしめる機能、すなわち自ら動く能力を支える器官系であり、その障害は活動性の低下に直結します。対象とする部位は、脊椎・脊髄から骨盤、四肢に至るまで広範囲に及び、年齢層も新生児から高齢者までと非常に幅広いのが特徴です。とくに現在のような超高齢社会においては、平均寿命の延伸とともに健康寿命の重要性が一層注目されています。病まず元気に長生きし、最期は寝込まずに人生を終える、いわゆる“ピンピンコロリ”という理想の実現には、自力で移動できる身体機能の維持が不可欠です。私ども整形外科の最大の使命は、その中核をなす運動器の維持・再建を通して人々の生活の質の向上に貢献するところにあります。

地域に根ざした鹿児島大学において、まず求められるのは、地域医療のさらなる充実です。当教室では最先端の手術技術の導入に加え、多発外傷や重度の合併症を伴う疾患など、他科との緊密な連携が求められる重症例に対しても、大学と関連病院が一体となって対応しており、初期治療からリハビリテーションまで一貫した医療を提供することで、離島を含む広域な地域においても安心して医療を受けられる体制づくりを進めています。また、地域医療における総合診療医の育成はもちろんのこと、専門的知識と高度な技術を備えた各分野のエキスパートを育成するのも私どもの重要な役割です。当教室では医局員一人ひとりのスキルを向上させるため、国内留学や学会発表、手術見学などを積極的に奨励しています。大学ならではの豊富な人脈を活かし、意欲ある若手医師が各領域における一流の施設で研鑽を詰み、着実に成長できるよう充実した支援体制を整えています。

教育面においては、薩摩に脈々と受け継がれる郷中教育の精神に則り、日常診療の中で生じた疑問を科学的に解決する力を養うことを目的として、大学院教育に力を注いでいます。学位取得にとどまらず、さらなる研究の発展や英語力の向上、国際的感覚の修得など高い意欲を持つ医師には、海外留学を積極的に勧めています。“百聞は一見にしかず”―真に優れた「本物」に直接触れる体験こそが、個々のモチベーションを高めて飛躍的な成長を促すとともに、物事の本質を見極め、未来を見通す力を育む原動力となります。かつて薩摩から多くの偉人たちが海外留学を通じて視野を広げ、明治維新を牽引した史実に私たちも学びたいと考えています。

研究活動においては、変形性関節症と骨・軟骨代謝、骨軟部腫瘍と遺伝子治療、さらに脊髄再生や後縦靱帯骨化症に関する基礎および臨床研究について主に取り組み、これまで数多くの有力雑誌への論文掲載や各分野での受賞、研究費獲得を積み重ねて参りました。独自の研究ラボ体制のもと、中央の流行に追随するのではなく、国際共同研究などを通じて独創性と先進性に富んだ研究を持続的に推進しています。

鹿児島大学整形外科は、優れた人材の育成と世界へと発信する研究成果の創出を通じて、地域医療に真に貢献する教室を目指しています。学生、初期研修医の方はもちろん、キャリアや年齢を問わず、ご関心のある方はぜひ一度ご連絡ください。

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 運動機能修復学講座 整形外科学
教授 谷口 昇