患者の皆様へ
手外科グループ
『手外科グループ』
手外科グループは主に佐々木、三重が担当しています。
一般的な手外科疾患(ばね指・母指CM関節症・手根管症候群・肘部管症候群・手指の骨折など)の手術も行っていますが、下記のような臨床試験にも取り組んでいます。
手の更年期外来
関節軟骨・筋肉・腱にはエストロゲンレセプターが存在し、エストロゲンはその機能を維持する働きがあります。
更年期女性ではエストロゲンの低下により約40%で手の関節痛やこわばりなどが出現することが知られています。
しかし、これらの更年期の手の症状に対する根本的な治療については確立していないのが現状です。
これまで、へバーデン結節やブシャール結節や母指CM関節症、狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病やばね指)、手根管症候群などは、それぞれ別の疾患として治療されてきましたが、更年期におけるエストロゲン低下に伴う関節や腱の炎症と考えると、更年期障害の症状の一つととらえることができます。
当科では、これら更年期の手の症状を含む更年期障害の症状のある患者さんに対して、当院婦人科と共同で治療を行っています。
更年期の手の症状に対する治療について-当院婦人科との共同臨床研究-
更年期障害の治療は、低下した女性ホルモンを補充するホルモン補充療法や、漢方治療やサプリによる治療など様々なものがあり、患者さんの症状や希望に合わせて選択します。
ホルモン補充療法は、関節痛や筋肉痛などに効果があることが報告されていますし、変形性手指関節症(ヘバーデン結節、ブシャール結節、CM関節症)に対しては変形の進行抑制効果があることが報告されています。
日本人の平均閉経年齢は51~2歳とされていますが、早い人では40代から手のこわばりや手の痛みが出現することがあり、関節の変形や腱の炎症がひどくなる前に治療を開始することが重要であると考えています。
手の更年期外来の受診を希望される方は、初診外来予約センターに連絡をして、予約を取ってください。
病院の先生方から予約を取っていただく場合は、初診予約センターにFAXをよろしくお願い致します。
初診 毎週月曜日 午前 整形外科
午後 婦人科(整形外科受診終了後)
| 電話 | 医務課初診外来予約担当 電話:099-275-5168 受付時間:月~金(8:30~17:00) |
|---|---|
| FAX | 099-275-6698 |
手外科グループの主な活動
日本手外科学会 代議員 佐々木 裕美
https://www.jssh.or.jp/doctor/jp/about/board.html
九州手外科研究会 世話人 佐々木 裕美
https://www.jssh.or.jp/doctor/khand/
手外科グループの主な著書
臨床雑誌 整形外科 佐々木 裕美:X線診断Q&A 南江堂 2022年9月
Loco cure【手指の変形性PIP関節症(ブシャール結節)に対する保存治療と外科治療:knowledge Update】 佐々木 裕美、崎濱 ミカ、
唐木田 智子、小林 裕明、谷口 昇:更年期女性における変形性PIP関節症の保存療法−ホルモン補充療法の導入を含めた治療戦略−
先端医学社 2025年8月
手外科グループの主な掲載誌
手指変形性関節症による関節痛は周閉経期女性における骨密度低下の指標となりうる
佐々木 裕美, 谷口 昇
日本手外科学会雑誌 42(5):799-800 2026年2月
橈骨遠位端に生じる骨巨細胞腫の治療法
佐々木 裕美
日本手外科学会雑誌 42(4):392-398 2026年1月
ホルモン補充療法は更年期女性における変形性手指関節症による手の疼痛と上肢機能障害を改善した
佐々木 裕美
日本手外科学会雑誌 41(5):594-595 2025年2月
尺側CM関節脱臼骨折13例
加世田 圭一郎, 村山 隆, 矢崎 雄一郎, 大迫 浩文, 今林 正典, 中村 優子, 佐々木 裕美, 有島 善也, 小倉 雅, 谷口 昇
整形外科と災害外科 72(3):531-535 2023年9月
当科における手に発生した腫瘤の臨床的、画像的特徴についての検討
佐々木 裕美, 中村 優子, 有島 善也, 谷口 昇
日本手外科学会雑誌 37(6):967-971 2021年4月
当院における舟状骨偽関節の治療成績
桑畑 健太郎, 小倉 雅, 東郷 泰久, 有島 善也, 海江田 光祥, 音羽 学, 三重 岳, 佐々木 裕美, 谷口 昇
整形外科と災害外科 70(1):125-126 2021年3月
重度手根管症候群に対する環指浅指屈筋を用いた母指対立再建術の治療成績
三重 岳, 小倉 雅, 東郷 泰久, 有島 善也, 海江田 光祥, 音羽 学, 加世田 圭一郎, 佐々木 裕美, 谷口 昇
整形外科と災害外科 69(3):505-507 2020年9月
尺側CM関節脱臼骨折の治療成績
中村 優子, 有島 善也, 小倉 雅, 佐々木 裕美, 谷口 昇
日本手外科学会雑誌 36(2):134-137 2019年11月
手外科グループの主な論文
Menopausal hormone therapy shows superior efficacy to complementary and alternative medicine in treating symptomatic hand osteoarthritis in Japanese women during perimenopause
Sasaki H, Sakihama M, Karakida N, Miyazaki T, Kobayashi H, Taniguchi N
Women's Health. 2025;21:17455057251359384 2025年1月
ヒトにとって手は非常に重要な役割を担っています。
手外科グループで扱う疾患は、
ばね指や手根管症候群、肘部管症候群、へバーデン結節、母指CM関節症など上肢に発生する障害が中心で、
その種類は多岐にわたります。
また、橈骨遠位端骨折や舟状骨骨折、手指の骨折などの外傷も含みます。
ばね指
ばね指は指の付け根が痛くなり、指の曲げ伸ばしの際に疼痛が出現します。指を曲げる腱と腱鞘というトンネルの間で炎症が起こり、疼痛が引きおこされます。
また、症状が進むと指の引っかかり感、曲がったまま延ばせなくなる、延ばそうとするとパチンという音とともにのばせるようになる弾発現象が起こります。これを放っておくと指の腱が癒着し、指が完全に伸ばせなくなります。
痛みに対しては腱鞘内注射が効果的です。弾発現象が起こると注射だけでは改善しないので手術が必要になります。
手根管症候群
手根管症候群は、手首を通る正中神経が神経の通り道で圧迫されることで手指(親指から薬指の親指側まで)のしびれ痛みを引き起こします。ひどくなると親指の付け根の筋肉がやせてきて細かい作業をすることが難しくなります。手指のしびれ痛みは朝方に強くなり、手を振ると良くなるのが特徴です。治療は、神経の圧迫の程度にもよりますが、注射をしたり、場合によっては手術を行うこともあります。
肘部管症候群
肘部管症候群は、肘を通る尺骨神経が神経の通り道で圧迫されることで、手指(薬指から小指)のしびれや痛みを引き起こします。ひどくなると指の筋肉が萎縮し、独特な指の変形である鷲手変形を来し細かい作業をすることが難しくなります。子供のころの肘の怪我などに続発して起こることがあります。保存療法では改善が得られないことが多いため手術を行うことが多いです。
へバーデン結節
指の第1関節(DIP関節)が腫れたり、痛くなり手を強く握ることが難しくなります。一般的に40代以上の女性に多く発生する変形性関節症です。近年更年期障害の一種としてとらえられることが多いのですが、治療法は確立していません。
母指CM関節症
親指の付け根の関節の変形により、ものをつまんだり蓋を開けたりするときに痛みが出ます。変形が進行すると親指が十分開けなくなり、ものをつかんだりすることが難しくなります。まずは装具療法や関節内注射で経過を見ます。それでも疼痛が改善しない場合や日常生活に困難がある場合は手術を行います。