鹿児島大学整形外科学教室DEPARTMENT OF ORTHOPAEDIC SURGERY
KAGOSHIMA UNIVERSITY

患者の皆様へ

肩関節グループ

年間手術件数 (R4.1~R4.12) : 79 件 肩関節グループ

肩関節診療は谷口昇教授と北川博之、堂込雅貴医師の三名で担当しております。初診日は月曜と水曜の午前中です。
肩関節グループは腱板断裂性肩関節症や変形性肩関節症、腱板断裂、肩・肘関節骨折、反復性肩関節脱臼、胸郭出口症候群、投球障害肩、野球肘、変形性肘関節症などの加療を行っております。
人工関節や骨接合術のほか、内視鏡で対応可能な疾患に関しては関節鏡を用いて低侵襲手術を行っています。
谷口昇教授は、霧島整形外科、出水郡広域医療センター、種子島医療センターでの定期手術のほか、必要に応じて曽於医師会立病院、出水総合医療センター、川内市医師会立市民病院、池田病院、藤善整形外科、南風病院、菊野病院などでも出張手術を行っており、肩肘の手術数は総数で1000例(うち人工肩肘関節250例以上)を超えています。

肩関節グループの主な活動

日本肩関節学会 理事 谷口 昇
https://www.j-shoulder-s.jp/about/member.html

日本関節病学会 理事 谷口 昇
https://jsjd.info/about/officer

日本肘関節学会 評議員 谷口 昇
http://www.elbow-jp.org/member.html

日本スポーツ整形外科学会 代議員 谷口 昇
https://jsoa.or.jp/outline/delegate/

日本人工関節学会 代議員 谷口 昇
https://jsra.info/data/pdf/councilor_list.pdf

最新版 国民のための名医ランキング 2024~2026 有益情報 整形外科(肩・手)谷口 昇 2023/11/8 桜の花出版編集部
https://www.sakuranohana.jp/books/9784434328848/

肩関節グループの主な著書

肩・肘の痛みと障害 谷口 昇 外来で遭遇する頻度の高い疾患と好発年齢 中山書店 2026年4月

標準整形外科学 第16版 谷口 昇 肩関節, 肘関節 医学書院 2026年2月

今日の診断指針 第9版 谷口 昇 五十肩・腱板断裂 医学書院 2025年1月

今日の治療指針 2024年版 谷口 昇 変形性肩関節症・腱板断裂性肩関節症 医学書院 2024年1月

整形外科医のための手術解剖学図説(原書第6版) 谷口 昇 上腕 南江堂 2023年7月

標準整形外科学 第15版 谷口 昇 肩関節 医学書院 2023年2月

肩外傷の治療とリバース型人工肩関節置換術 谷口 昇 リバース型人工肩関節の原理と基本手技 メジカルビュー社 2022年6月

今日の整形外科治療指針 第8版 谷口 昇 肩関節疾患のX線診断, 肩関節疾患のMRI診断 医学書院 2021年10月

これだけは知っておきたい整形外科身体診察スキル 谷口 昇 肩関節の診察 メジカルビュー社 2021年3月

肩関節手術ー合併症の予防と対策ー 谷口 昇 リバース型人工肩関節置換術 メディカ出版 2020年10月

肩関節再建術ー腱板断裂、肩関節不安定症の治療戦略ー 谷口 昇 腱板断裂、肩関節不安定症 メディカ出版 2017年7月

肩関節グループの主な掲載誌

専門家による私の治療 肩関節脱臼 谷口 昇 日本医事新報 5285号 48-49 2025年8月

肩関節複合運動の定量化を目指して 宮崎 宣丞, 谷口 昇 臨床スポーツ医学 40 874-876 2023年8月

肩 上釜 浩平, 谷口 昇 整形外科看護 ( 2023夏季増刊 ) 51-86 2023年6月

Cuff tear arthropathyに対するリバース型人工肩関節置換術 海江田 英泰, 上釜 浩平, 前迫 真吾, 谷口 昇 整形外科 74 561-568 2023年5月

一次修復不能な腱板断裂に対するRSA 前迫真吾, 谷口 昇 関節外科 41 113-120 2022年11月

人工肩関節 TSA/RSA 海江田 英泰, 谷口 昇 整形外科看護 26 899-901 2021年9月

自宅でできるリハビリテーション 腱板断裂 海江田 英泰, 橘木 康文, 谷口 昇 Loco Cure 7 171-176 2021年5月

卒後研修講座 腱板広範囲断裂と変形性肩関節症 病態と治療 谷口 昇 整形外科 72 365-373 2021年4月

肩痛の診療 肩腱板断裂 海江田 英泰, 谷口 昇 臨牀と研究 97 827-832 2020年7月

肩関節変性疾患の診断と治療 谷口 昇 日本整形外科学会雑誌 94 413-418 2020年5月

肩関節グループの主な論文

Humeral head in rotator cuff tear arthropathy shows reduced cartilage damage and uniform
subchondral bone osteoporosis: a histomorphometric analysis.
JSES Int. 2025;10(2):101435.

Uekama K, Miyazaki T, Maesako S, Tsutsumi S, Taniguchi N.
Examination of the factors associated with humeral head size as calculated by 3-dimensional
computed tomography in patients with rotator cuff tears.
Seminars in Arthroplasty Jses. 2024;34(4):900–906.

Miyazaki T, Uekama K, Machida T, Maesako S, Taniguchi N.
Investigation of the limiting factors of shoulder joint complex motion in college baseball
players: motion analysis of the humeral head and rotator cuff using ultrasound.
JSES Int. 2024;8(3):570-576.

Maesako S, Uekama K, Miyazaki T, Kaieda H, Taniguchi N.
Two patients with giant acromioclavicular joint cysts underwent reverse shoulder arthroplasty for cuff tear arthropathy.
JSES Rev Rep Tech. 2024;4(2):248-252.

Taniguchi N.
Editorial Commentary: Bone Marrow Stimulation and Losartan Augmentation of Shoulder Rotator Cuff Repair.
Arthroscopy. 2023;39(12):2420-2422.

Uekama K, Miyazaki T, Maesako S, Kaieda H, Taniguchi N.
Clinical significance of the elbow forward translation motion in patients with rotator cuff tears.
JSES Int. 2023;7(4):555-560.

Taniguchi N, D'Lima DD, Suenaga N, Ishida Y, Lee D, Goya I, Chosa E.
Translation of the humeral head scale is associated with success of rotator cuff repair for large-massive tears.
BMC Musculoskelet Disord. 2017;18(1):511.

Taniguchi N, D'Lima DD, Suenaga N, Chosa E.
A new scale measuring translation of the humeral head as a prognostic factor for the treatment of large and massive rotator cuff tears.
J Shoulder Elbow Surg. 2018;27(2):196-203.

Taniguchi N, Suenaga N, Oizumi N, Miyoshi N, Yamaguchi H, Inoue K, Chosa E.
Bone marrow stimulation at the footprint of arthroscopic surface-holding repair advances cuff repair integrity.
J Shoulder Elbow Surg. 2015;24(6):860-6.

Taniguchi N, Suenaga N, Oizumi N, Miyoshi N, Araki N, Chosa E.
Surface-holding repair: an original arthroscopic rotator cuff repair technique.
J Shoulder Elbow Surg. 2014;23(5):620-7.

肩関節について

肩関節について

肩関節は体幹(胴体)と上肢(腕)をつなぐ関節であり、上肢をうまく使うためのまさに要の関節です。肩関節は肩甲骨の小さな関節のくぼみ(関節窩)に上腕骨の先にある丸い骨頭が接する構造になっています。しばしばゴルフボールとティーに例えられます(図1)。肩甲骨の関節窩は非常に浅く、肩関節は骨の構造だけでは非常に不安定なため、周囲の軟部組織(筋肉や関節包靭帯)でその安定性を保っています。

これから代表的な肩関節の病気と当院での治療について説明いたします。

腱板断裂

腱板断裂

肩関節を動かすために一番大きな筋力を発揮するのは外側にある三角筋ですが、その三角筋が有効に力を発揮できるよう手助けをしているのが棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つの筋から構成される腱板です。この腱板が切れて、腕が上がらなくなったり痛みが出たりするのが腱板断裂です。

腱板断裂の治療
腱板断裂の治療

腱板断裂は保存療法(手術以外のお薬や注射、リハビリでの治療)で症状が改善することが多く、まず保存療法を行い、それでも痛みや動きに制限がある場合手術を行います。当院では主に関節鏡(内視鏡の一種です)を用いて、腱板の修復を行っています。具体的にはアンカーという糸付のねじを上腕骨に挿入し、その糸を切れた腱板に通し、元の骨に縫い付けるという術式です。関節鏡の一番の利点は、先に挙げた一番大きな筋力を発揮する三角筋へのダメージを小さくできる点です。

反復性肩関節脱臼

反復性肩関節脱臼とはいわゆる肩がはずれるのがクセになっている状態です。先に述べたとおり肩は非常に不安定な関節で人間の体の中で一番脱臼しやすい関節です。また不安定ということを逆にいえば非常に動きがいい関節であり、人間の体の中で一番動く関節でもあります。

反復性肩関節脱臼の治療
反復性肩関節脱臼の治療

肩関節には独立した構造の靭帯はなく、関節を包む膜様の構造(関節包)の一部が厚くなった構造(関節包靭帯)と筋肉が主に脱臼を防いでいます。肩関節が脱臼した場合、多くの例でこの関節包靭帯がその根元(関節唇)ごと関節窩からはがれます。当院では関節鏡を用いて、このはがれた関節唇を元の関節窩に修復しています。具体的にはやはりアンカーを用いて、剥がれた関節唇に糸を通して関節窩に縫いつけます。

変形性肩関節症

変形性関節症とはいわゆる関節の軟骨がすり減った状態です。股関節や膝関節に多く見られますが、肩関節にもおこります。

変形性肩関節症の治療
変形性肩関節症の治療

当院では主に全人工関節置換術を行っています。具体的には上腕骨の先端の丸い部分(骨頭)を金属に置き換え、肩甲骨の関節面はポリエチレンに入れ替えます。(図5)

腱板断裂性肩関節症

腱板断裂に引き続き、肩関節の変形が生じた状態で疼痛と筋力低下が生じます(図6左)。

腱板断裂性肩関節症の治療
腱板断裂性肩関節症の治療

腱板修復不可能な腱板断裂性肩関節症に対して、当院では主に逆型(リバース型)全人工肩関節置換術を行っています(図6右)。肩関節は上腕骨の先端の丸い部分(骨頭)を肩甲骨の関節面で受け止める構造ですが、逆型(リバース型)全人工肩関節置換術ではこれを逆にして、肩甲骨関節窩に丸い金属を、上腕骨側にポリエチレンの受け皿を入れる構造になります。この構造により、腱板が修復できなくても三角筋の働きで腕を挙げられるようになります。