2024-04-29

鹿児島大学 整形外科学教室

Department of Orthopaedic Surgery Kagoshima University

女性医師からのメッセージ

私が鹿児島大学整形外科に入局して15年が過ぎ、中堅と呼ばれる部類にcategorizeされる年代になってきました。整形外科に興味があるけど色々と心配、という女性医師の皆さんにこれまでの経験を元にメッセージを送りたいと思います。

私は平成14年(24歳)に鹿児島大学を卒業し、鹿児島大学整形外科に入局しました。整形外科を選んだのは「機能を再建する」ということに魅力を感じ、手術が楽しそうだと思ったからです。当時、仕事と家庭の両立のことなど全く考えていなかった私は、好きだから、という理由で整形外科に飛び込みました。平成18年(28歳)消化器外科医の夫と結婚、平成20年(30歳)、22年(32歳)に出産しました。平成16年(26歳)に大学院に入学し、平成21年(31歳)に専門医取得、休学期間を経て平成24年(34歳)に学位を取得しました。

20代はただただ目の前の仕事をこなすのに精一杯でしたが、30代前半で「これが専門、と胸を張れることを見つけたい」と思い、密かに骨軟部腫瘍と手外科を専門とすることに決めました。30代は大学院での研究生活や学位取得のためしばらく臨床を離れましたが、その後復帰し、現在骨軟部腫瘍と手外科を専門とし、仕事を続けています。

母親業については、一人ではとてもできません、と30代早々にgive up宣言し、自分の母親をフル活用し、平日は家事代行やベビーシッターさんを頼み、PTAに行けないときは主人に行ってもらうなど、人の手を借りまくって何とか乗り越えてきました。

私が思う女性医師が仕事を続けるために重要なことは、

  • 自分の好きな科を選ぶこと:好きなことだからこそ続けられるし、時々さみしい思いをさせている子供たち、夫にも胸を張っていられる
  • 理解のある夫を見つけること:一番の理解者であり、同士である
  • 話し合える医局を選ぶこと:型どおりではなく個人の選択に対して医局が個別に配慮してくれるか、ただ、自分の希望を通すだけではなく“持ちつ持たれつ”の精神で

20代、30代、色々な場面で転機が訪れます。そのたびに自問自答し、何がその時一番大切かを考え、目標を決めて夢に向かって進んできました。私もまだまだしたいこと、しなければならないことがたくさんあり、これからも自分の夢に向かってがんばろうと思っています。鹿児島大学整形外科は女性医師が少ない教室ですが、だからこそ、それぞれの希望に最大限沿うことができると思います。自分の夢をあきらめず、ずっとがんばりたい女性医師のみなさん、力になります。お待ちしています。

平成14年入局の佐々木裕美

 


天辰愛弓こんにちは!平成23年入局の天辰愛弓(旧姓中川路)です。進路に迷っている女性医師の皆さん、ぜひ整形外科も選択肢の一つにいれていただきたいです!

整形外科に興味はあるけどちょっとな・・・って躊躇されている方、それって、力仕事が多そうだけど大丈夫かなとか、女性医師が少ないけどやっていけるかな、などといった不安ではないでしょうか?私もそうでした。
実際入局してみてどうだったかというと、まず力仕事ですが、それほど力が必要ないものがほとんどです。確かに、なかには体の大きな方の足を片手で支えるなど力が必要なものもあり、腕力もなく、小柄な私には厳しいものもあります。そんなときはどうしているかというと、遠慮なく他の先生にお願いしています(笑)。当科の先生方は優しい先生方ばかりなので、快く手助けしてもらっています。細腕の女子でも大丈夫です!
次に男性社会というイメージですが、鹿児島大学整形外科は女性医師が少ないからといって女性医師に対する理解が乏しい現場ではありません。私自身出産し、育児休暇を取りましたが、妊娠中の勤務地、当直の免除、放射線従事の免除、産後の育児休暇の期間(私の場合は1年)など、ある程度自分の希望する形でさせていただきました。

整形外科医に女性医師は少ない現状ですが、「先生が女医さんでよかった」と言ってくださる女性患者さんが実は結構多く、女性整形外科医のニーズの高さを実感しています。整形外科に少しでも興味がある方、ぜひ一緒に楽しく働きましょう!鹿児島大学整形外科でお待ちしております☆

平成23年入局の天辰愛弓


出身は札幌市ですが出身大学だったので当医局へ入局しました。入局後は半年から1年毎に県内全域を人事異動で回っており、色々な土地に行くことが出来ます。自然豊かなところが多く、関連病院の6割は地域の開業医なので、派遣先の病院での主な仕事は外来です。腰痛や膝関節の注射などは女性医師でも全く問題なく出来ています。優しい先輩方の指導の下、貴重な手術症例はひとつひとつ大切に研鑽を積んでいます。

夜間や休日の救急では肩や股関節など大関節の脱臼整復を行ったり、手術の際には足を持ったり太いキルシュナー鋼線を切ったりドライバーのトルクをかけたり、力仕事も多く困ることがありますが、男性医師の助けを借りて対応できています。

専門医取得後はほとんど力仕事を要しない手外科を目指していますが、県内には研修施設がほとんどないのが現状です。新しく就任された谷口教授は若手医師の学ぶ体制や女性医師の環境をより良くしていこうと積極的に考えて下さっていますので、今後の医局は女性がますます働きやすくなると期待しています。

もし整形外科に興味があれば見学に来てみて下さい。

平成27年入局の中村優子